2017年は全国的にヒアリ発見のニュースが話題となりました。でも数年前に話題になったセアカゴケグモも忘れてはいけません。2017年8月現在でセアカゴケグモが発見されていない県は青森県、秋田県、長野県のみですが、2017年もすでに生息している地域で発見の報告が相次いでいます。
もくじ
2017年1月~9月のセアカゴケグモ発見情報(東日本エリア)
- 2017年2月 富山県富山市(富山県においてはじめての発見)
- 2017年2月 静岡県賀茂郡西伊豆町
- 2017年3月 岐阜県多治見市
- 2017年4月 東京都江東区 東京ビックサイト
- 2017年4月 千葉県市川市
- 2017年7月 千葉県習志野市
- 2017年7月 岐阜県可児市
- 2017年7月 岐阜県岐阜市
- 2017年8月 千葉県千葉市美浜区 幕張海浜公園
- 2017年8月 静岡県御殿場市 東名高速道上りSAエクスパーサ足柄
- 2017年8月 東京都江東区 東京ビックサイト(今年2回目)
- 2017年8月 岐阜県海津市
- 2017年8月 岐阜県岐阜市
- 2017年8月 茨城県守谷市
- 2017年9月 千葉県千葉市美浜区 幕張海浜公園及び幕張メッセ
- 2017年9月 岐阜県大垣市
- 2017年9月 岐阜県海津市
- 2017年9月 岐阜県多治見市
- 2017年9月 岐阜県各務原市
- 2017年9月 埼玉県上尾市
- 2017年9月 群馬県伊勢崎市
- 2017年9月 埼玉県新座市
- 2017年9月 石川県白山市
北から順番に調べていましたが、あまりにも発見数が多いので、西日本エリアを調べるのを諦めました。上記には記載できない程、愛知県では毎月のように発見されています。詳しくは愛知県のホームページでご確認ください。また、発見情報は各市町村のホームページ等に詳しく掲載されていますのでご確認ください。
キノコ狩りなどの秋の散策は必ず手袋を!
秋は紅葉の季節。気温も下がり過ごしやすい季節ですから登山やキノコ狩りなどで山に行く機会も多くなります。最近はロープウェイやケーブルカーなど整備された観光スポットも多く、ショッピングへお出かけする感覚で服装に気をつかわず山に入る人が増えているのも事実です。でも住宅街と違い山には危険が多いことを頭に入れましょう。服装は長袖・長ズボンはあたりまえです。キノコ狩りや栗拾いなどは必ず手袋をしましょう。

こんな格好ではスズメバチ、ヒアリやセアカゴケグモどころか、草むらに生えている漆で肌がただれるかもしれませんね。
秋に行動が活発になるのはスズメバチだけではありません。
秋と言えばスズメバチによる被害を耳にします。これは、春から活動をはじめた女王蜂が働き蜂を増やし巣が最も活発になる時期が秋だからです。しかし、スズメバチだけではありません。セアカゴケグモなどの毒クモも夏から秋にかけて活発化します。
既に全国に拡大しているセアカゴケグモ
ヒアリブームの影で忘れている人も多いセアカゴケグモですが、既に全国に拡大しています。ヒアリと同様、昆虫やクモなどの属に言う虫ですが、一般的に虫は大量に卵を産みます。これが生息域の拡大を防ぐことができない最大の要因です。
セアカゴケグモは昆虫ではない
ヒアリは昆虫ですが、セアカゴケグモなどのクモは昆虫では無いって知ってました?クモは分類的には「クモ網(クモこう)」と言って節足動物門鋏角亜門に属するそうです、ダニやサソリなどと同じグループだとか。昆虫図鑑にもクモが載ってるから昆虫と思ってしまいますよね。まあ、気持ち悪い系に分類されます。
「珍しいから」と決してセアカゴケグモを生きて捕獲しない事!
セアカゴケグモは、元々日本国内にいなかった「特定外来生物」です。日本の生態系に影響を与える可能性が大きい特定外来生物は飼育や保管、運搬のほか野外に解き放つ事は禁止されています。セアカゴケグモを見つけた時に「珍しいから」と決して捕獲しない事が重要です。
特にメスのセアカゴケグモは有毒ですから、捕獲しようとした時に咬まれる恐れがあります。見つけたらハエ、蚊、ゴキブリやダニの駆除に使われるスプレータイプのピレスロイド系殺虫剤(キンチョールやゴキジェットなど)で殺虫しましょう。もし殺虫剤が無い場合は靴を履いた足で踏みつぶしましょう。
キンチョールK 450mL 2本パック (防除用医薬部外品)
セアカゴケグモを殺虫したあとが肝心
セアカゴケグモを殺したら発見場所を管轄する役所に連絡しましょう。なぜなら他のクモと同様にセアカゴケグモのメスも大量の卵を産むからです。原産国のオーストラリアではセアカゴケグモのメスは、およそ1か月毎に10個程度を産卵するようです。メスの寿命は2年~3年程度と言われており1匹のメスが一生のうちに産む卵は5000個にも上るケースもあるのだとか。
もちろん、オーストラリアと日本では気候も違いますから、1匹のセアカゴケグモが日本でどの程度生きて、どのぐらいの卵を産むのかはわかりませんが、人工物が多い日本はセアカゴケグモが隠れる場所が多いのも事実です。セアカゴケグモが潜む場所や、咬まれた時の対処法はこちらの記事をご覧ください。
連絡を受けた役所は、セアカゴケグモによる被害を防ぐため発見場所周辺に他のセアカゴケグモがいないかを確認し、殺虫剤散布などの対応を行い、周辺の小中学校等への周知や市民への広報を行う事になると思います。