キノコと言うと秋。秋と言えば食欲の秋。でも涼しげな秋は食中毒が増える時期でもあるそうです。それは、暑い夏の時期から秋にかけて涼しくなる事で、作り置きの食品を冷蔵庫に入れずに常温で保存したりと食品の管理がおろそかになる事も原因のようです。しかし9月~10月の気温は梅雨の時期とそれほど変わらず食品の管理には気を使わなければいけません。さらに、秋に食中毒が多くなる原因はキノコ狩りです。山で採ってきたキノコを食べたら毒キノコだったというケースは毎年のようにあります。
もくじ
キノコを家庭で楽しむ方法
では、このシーズンにキノコ狩りを個人で楽しむほどのキノコ知識が無い場合、どのように新鮮なキノコを楽しめばよいのでしょうか?身近なキノコの代表である椎茸の原木栽培などはどうですか?原木栽培は、まさに天然に最も近いキノコの栽培方法です。しかしながら素人でも手軽にできるほど管理が楽なわけではありませんし、原木を置いておく場所も選びます。

原木栽培の椎茸は自然に最も近い形で育つため、香りも味も良いが原木栽培をする為には場所も選ぶし育つまでの時間も必要となり、家庭で気軽にというわけにはいかない。
家で栽培できる菌床栽培キットを購入する
菌床栽培は木を細かく粉砕したものに、米糠(こめぬか)や小麦粉に精製する過程で出る小麦の表皮部分の「ふすま」等に水分を加えて成型した物(菌床【きんしょう】と呼びます)に、キノコの菌を植え付けて室内で栽培できるようにしたものです。
天然に近い原木栽培とは違い、室内で栽培できる事から温度や湿度を管理する事で年間を通してキノコを生産できる技術です。また室内で栽培できる事から虫や害菌による影響や最近で言うと放射能など環境汚染による影響を受けません。
菌床栽培できるキノコ(一部)
- 椎茸
- なめこ
- きくらげ
- ひらたけ
- えりんぎ
- えのきたけ
- ぶなしめじ
早速、家庭でもできる菌床栽培キットを購入しました。
Amazonでポチッた菌床栽培キットは翌日には届く。段ボールの外箱には「届いたらすぐに栽培をはじめて」というシールが貼ってあり、焦って箱から取り出しました。

選んだ栽培キットは森産業株式会社の椎茸栽培キット。なめこの栽培キットも同時に購入。
今回は、「もりのしいたけ農園(栽培容器付)」と「もりのなめこ農園」を購入。なめこ農園には栽培容器が付属していない為、別売りの栽培容器を同時に購入しました。

写真(左)ナメコの菌床。写真(右)椎茸の菌床。しっかりと栽培方法が記載された説明書が付属している。椎茸とナメコでは栽培方法が若干異なります。
シイタケ栽培キット 【もりのしいたけ農園栽培容器付】
ナメコ栽培キット 【もりのなめこ農園】
菌床栽培をはじめる(椎茸編)
椎茸の栽培温度は、日中は20~23℃で、夜間は18℃以下がメーカーのお勧め温度という事。椎茸栽培キットが到着したのは10月初旬。外は雨で外気温は日中でも19℃と推奨温度より低い。もし夏場に菌床栽培を行う場合はクーラーがついた部屋でなければ成功しないようなので、夏場よりも秋から春が栽培に適した時期と言えるでしょう。
ハサミで袋を切った瞬間に香りが!
椎茸の菌床を袋から取り出した瞬間に椎茸の香りが漂いました。これはキノコ好きにはたまりません!当然ながら椎茸はまだ生えていませんが、香りを嗅いだだけで菌床が美味しく見えてきました。
取り出した椎茸の菌床を説明書どおりに水道水で洗います。説明書には普通の水道水でも良いと書いてありましたが、気分の問題で、一応設置してあったクリンスイで洗いました。

生まれたての赤ちゃんをお風呂に入れるように水道水で椎茸の菌床を洗います。
もりのしいたけ農園に付属の栽培容器に、椎茸の菌床を入れて準備完了です。簡単すぎます。栽培容器は結構大きいのですが、椎茸が成長してくると、この容器の大きさでもギリギリなのが分かります。

もりのしいたけ農園は、栽培容器付きと菌床だけの2通りが販売されています。はじめての方は栽培容器付きを購入したほうが良いでしょう。
数日から2週間で椎茸が伸びて食べられるようです。後は椎茸の菌床が「しっとり」しているように管理するだけです。霧吹きを用意したほうがよいかもしれませんね。
2日目以降のシイタケ栽培記録はこちら(動画で成長の様子も記録しました。)
菌床栽培をはじめる(なめこ編)
もりのしいたけ農園と同じシリーズの「もりのなめこ農園」を一緒に購入しました。なめこの場合は椎茸よりも栽培期間が長く、発芽も2週間から4週間ぐらいかかるようです。うまく行けば椎茸を食べた後に、なめこもちょうどよく食べられるかもしれません。
まず、なめこが入っている袋の上部分をハサミで切ります。なめこの菌床は椎茸ほど香りはしませんでした。袋の中に水を入れて30分ほど放置します。
説明書どおりにやると、なめこの場合は、袋から菌床を出さずに、付属の赤玉土を袋に入れて菌床が赤玉土で隠れるような形で栽培するようです。この方法だと、正直あまり収穫量が無いのかなと思い違う方法で栽培する事にしました。
赤玉土を用意する
なめこ栽培に赤玉土は欠かせません。私は赤玉土になめこの菌床を植えるような形で育てたいと思いましたが付属の赤玉土では少なすぎました。急いで近くのホームセンターで赤玉土を購入。2Lの赤玉土で300円しませんでした。

写真左:ホームセンターで購入した赤玉土2L。写真右:もりのなめこ農園に付属の赤玉土。
水に浸していたなめこの菌床を、赤玉土を入れた栽培容器に植えました。なめこの菌床は3cmほど埋まっています。もりのなめこ農園には栽培容器は付属していませんが、同じ菌床のメーカーから大きさ別の栽培容器が別途販売されています。今回は一緒に購入したきのこ栽培容器Aを使用しました。

なめこの菌床を赤玉土を入れた栽培容器に植えた所。やはり栽培容器があると管理が楽そうです。
最後に赤玉土となめこの菌床に霧吹きで水を与え、準備は完了です。後は毎日、なめこの菌床と赤玉土が乾燥しないように霧降で水をかけて管理します。
菌活を自宅で楽しみましょう
途中ホームセンターに赤玉土を買いに行ったり、100円ショップに霧吹きを買いにいったものの短時間で菌床栽培キットの準備ができてしまいました。今回、数ある栽培キットの中から「もりの~」シリーズの菌床栽培キットを選んだのは、きのこの種類が豊富な事と原木栽培用の「きのこの種」も扱っているキノコ専門メーカーだからです。椎茸は一度収穫しても、菌床の管理が良ければ2回、3回と収穫できるようです。
菌活にはまったら、栽培容器も使い回しができます。しいたけ菌床 【もりのしいたけ農園おかわり君】は説明書などの付属品はつきませんが、菌床だけを安く購入できるのも特徴です。